二十七、日顕上人は、禅寺の墓地に石塔を建立したのではないか





　創価学会は、日顕上人が平成元年に、福島市にある御親戚（しんせき）の阿部家の墓石建立（こんりゅう）の法事に赴（おもむ）かれたことを挙（あ）げて「謗法（ほうぼう）」だといっています。しかし、学会が何をさして謗法だというのか、その理由がはっきりしません。
　第九世日有（にちう）上人の『化儀（けぎ）抄』には、 　「縦（たと）い禅（ぜん）・念仏（ねんぶつ）の寺・道場の内なりとも法華宗（ほっけしゅう）の檀那施主（だんなせしゅ）等が之（こ）れ有らば仏事を受（う）くべきなり」（聖典９８９頁） とあります。
　日顕上人は、『化儀抄』に従って墓石の開眼（かいげん）供養を行われたのであり、まったく謗法には当たりません。しかも、福島市の墓地の所有（しょゆう）者は御親戚（しんせき）の方であって日顕上人ではありません。日顕上人が所有される阿部家の墓地は、以前から大石寺墓地にあります。
　日蓮正宗の信仰者が、他宗（たしゅう）の寺院墓地において、墓石を建立し開眼法要を行っても、本宗の正しい化儀に則（のっと）ったものであれば、何も謗法ではないのです。
　ちなみに現在、福島の阿部家の墓地は、禅宗（ぜんしゅう）寺院白山寺脇（はくさんじわき）の土地にありますが、これは、明治時代に官（かん）の指導によって、個人墓地から公共（こうきょう）墓地に移転（いてん）したもので、白山寺の檀家（だんか）墓地とはもともと区画（くかく）を別（べつ）にするものです。
　また、阿部家は代々日蓮正宗の信仰を貫（つらぬ）いてきた家柄（いえがら）であり、禅宗の檀家などではありません。それは、第六十世日開（にちかい）上人が阿部家の御出身であられたことからも明かです。
　要するに創価学会の誹謗（ひぼう）は、ためにする悪口（わるくち）にすぎません。