第四章　日蓮正宗の信仰

Q27、『広宣流布』の本当の意味は何ですか。

　

　全世界の人々が総本山にまします本門戒壇の大御本尊に帰依して、本門の題目を唱えることを「広宣流布」といいます。

　総本山第二十六世日寛上人は『文(もん)底(てい)秘(ひ)沈(ちん)抄(しょう)』に「富士山は是れ広宣流布の根源なるが故に。根源とは何ぞ、謂わく、本門戒壇の本尊是れなり」（六巻抄　六八頁）と仰せです。

　『諸法実相抄』に「剰(あまつさ)へ広宣流布の時は日本一同に南無妙法蓮華経と唱へん事は大地を的とするなるべし」（御書　六六六頁）と仰せられ、『如説修行抄』には、広宣流布のときには、自然界も、社会も、そして個人も、平和で安穏な世界になると説かれています。

　「日蓮正宗の仏法」を広宣流布することが大聖人の御遺(ゆい)命(めい)なのです。創価学会のような、本尊と血脈に迷う人々がどれほど増えても、大聖人の御正意の「広宣流布」ではありません。

　日達上人も「日蓮正宗の教義でないものが一閻浮提に広がっても、それは広言流布とは言えないのであります」（達全　二‐六‐二九五頁）と明確に仰せられています。

　

　解　説

　広宣流布とは、日蓮大聖人の御遺命であり、日蓮正宗僧俗の願(がん)業(ごう)にして、けっして忘れてはならない大目標です。大聖人は『撰時抄』に、

「法華経の肝心たる南無妙法蓮華経の大白法の、一(いち)閻(えん)浮(ぶ)提(だい)の内に八万の国あり、其の国々に八万の王あり、王々ごとに臣下並びに万民までも、今日本国に弥陀称名を四衆の口々に唱ふるがごとく、広宣流布せさせ給ふべきなり」（御書　八三七㌻）

と仰せられ、また、二祖日興上人も『日興遺誡置文』に、

「未だ広宣流布せざる間は身命を捨てゝ随力弘通を致すべき事」（同　一八八四㌻）

と、広布への信念を持って、不惜身命の弘通に励むべきことを私たち門下一同に厳命なされています。

　そもそも、広宣流布とは、王法である世間法と仏法である出世間法が真に冥合＝融合することであり、仏法によって国土・社会及び人心を妙法化させることです。言い換えれば、大聖人の仏法を正しく全世界に弘め、一切衆生が確かな信仰によって妙法を体現すると共に、真の仏国土を顕現することです。故に、けっして創価仏法なるニセ仏法を弘めることではありません。

　大聖人は、末法弘通の正体を三大秘法総在の本門戒壇の大御本尊として建立あそばされ、唯(ゆい)授(じゅ)一(いち)人(にん)の血(けち)脈(みゃく)相(そう)承(じょう)をもって、日興上人へ御付嘱されました。故に、この三大秘法が正しく全世界の人々に弘通されてこそ広宣流布であり、三秘総在の本門戒壇の大御本尊を付嘱継承される、歴代御法主上人御指南のもと、信行に励む人々が増えてこそ広宣流布なのです。

　現在、大聖人の仏法を護持継承する日蓮正宗に反逆して大聖人の仏法を破壊し、広宣流布を阻害しているのが、池田創価学会なのです。池田大作は「大聖人様が成し得なかった広宣流布を自分が成し遂げたんだ」との思い上がりから、自分こそが大聖人にも勝る、末法の法華経の行者であるとの憍(きょう)慢(まん)謗(ほう)法(ぼう)を犯すに至りました。それは、正本堂を大聖人御遺命の事の戒壇であると強引に定義付け、広宣流布は自分が成し得たと喧伝・吹聴してきたことに顕著に表われています。

　このような池田を礼賛し、『ニセ本尊』を拝むという邪義を弘めていくことは、謗法が弘がることであり、多くの人々を不幸へと堕としていくことなのです。

　日達上人の、「日蓮正宗の教義でないものが一閻浮提に広がっても、それは広宣流布とは言えないのであります」との御指南は創価学会の邪義を破折されると同時に、日蓮正宗の教義が弘通されることが、広宣流布であるとの御指南です。

　広宣流布は容易に達成できるものではありません。現在、社会の実相を見ても明らかな通り、世の中は謗法充満の世界です。しかしながら、

「仏語は実にして虚しからず」（法華経　四四二㌻）

の経文のごとく、真の僧俗和合のもと、異体同心して、信行に邁進していくことで、広布達成の機運が必ず開かれていくことを確信すべきです。