第二章　創価学会の本尊観

Q１０、池田大作は「もはや本尊はどれも同じ」といっていますが、正しいのでしょうか。

　

　池田大作は本門戒壇の大御本尊とその他の御本尊を混同し、会員の心を本門戒壇の大御本尊から離れさせようと企てているのです。

　御本仏日蓮大聖人が出世の本(ほん)懐(がい)として、弘安二年十月十二日に御図顕された人法一箇の「本門戒壇の大御本尊」が本宗の根本の御本尊です。

　これに対して、各家庭や各人に下付される御本尊は、その根源の本門戒壇の大御本尊の御内(ない)証(しょう)を、唯授一人血脈付法の御法主上人が、その権能において書写され、本宗僧俗に下付されるのです。

　したがって、本門戒壇の大御本尊とその他の御本尊は、もとより能(のう)開(かい)と所(しょ)開(かい)の関係にあることを知らなければなりません。

　かつて創価学会では「私どもが留意すべき点について申し上げます。それはまず第一に、戒壇の大御本尊根本の信心に立ち、総本山大石寺こそ、信仰の根本道場であることを、ふたたび原点に戻って確認したいのであります。戒壇の大御本尊を離れて、われわれの信仰はありません」（特別学習会テキスト　五六頁）と指導していました。

　大聖人は『題(だい)目(もく)弥(み)陀(だ)名(みょう)号(ごう)勝(しょう)劣(れつ)事(じ)』に「能開所開を弁(わきま)へずして（中略）物知りがほ(顔)に申し侍(はべ)るなり」（御書　三三二頁）と仰せですが、創価学会は、まさに大聖人のこの厳しい責めをこうむる大謗法を犯しているのです。

　

　解　説

　「もはや」とは「今となっては」の意です。信仰の対境たる御本尊に関することが時代によって変わるならば、その普(ふ)遍(へん)性(せい)を自ら否定することとなります。

　また、「能開・所開」について言えば、「能開」とは能動的に開(かい)会(え)（開(かい)顕(けん)会(え)入(にゅう)）する立場を指し、「所開」とは受動的に開会される側を指します。

　大聖人様は『法華経題目抄』に、

「世間に財を積める蔵(くら)に鑰(かぎ)なければ開く事かたし。開かざれば蔵の内の財を見ず」（御書　三五六㌻）

と、能開を蔵の鍵に例えられています。

　そして本文にもある通り、本門戒壇の大御本尊様は宗祖日蓮大聖人様の出世の本懐にして、数多(あまた)の御本尊の中でも中心根本たる能開の大御本尊です。

　この明らかな筋目から見るとき、他の御本尊はすべて根本に対する枝、もしくは源に対する流れの関係に当たります。

　この故に総本山第二十六世日寛上人は、

「本門戒壇の本尊は応に是れ総体の本尊なるべし。是れ則ち一閻浮提の一切衆生の本尊なるが故なり。自余の本尊は応に是れ別体の本尊なるべし。是れ則ち面々各々の本尊なるが故なり」（御書文段　二四三㌻）

と仰せになり、六十五世日淳上人も、

「大聖人の御在世と御滅後を通じ根本の御本尊は此の一切衆生総(そう)与(よ)の戒壇の大御本尊にましますのであります。一機(き)一縁(えん)の御本尊はどこまでも一機一縁の御本尊であらせられるのであります。（中略）それ故大聖人を信仰し奉る者は皆此の一切衆生総与の御本尊に帰依し奉つて真に仏の御化導に浴することができるのであります」

と御教示あそばされています。

　妙楽大師が、

「像末の四依は仏化を弘宣す。化を受け教を禀(う)けて、須(すべから)く根源を討(たず)ぬべし。若し根源に迷わば、則ち増上を真証に濫(らん)ぜん」（学林版止観会本上　一二㌻）

と示すように、常に根源を求めることこそ肝要であり、その根源を失う輩(やから)は、必ずその慢心によって信心を狂わせてゆくのです。

　すなわち「御本尊はどれも同じ」というのは、成仏の根を伐(き)り源を塞(ふさ)ぐ大罪です。ましてや他田大作の言う「どれも同じ」との発言には、自業自得によって、もはや自分が拝し得ない本門戒壇の大御本尊様を、会員の心から忘(ぼう)却(きゃく)せしめんとする狡(こう)猾(かつ)な悪意が見て取れます。

　さらに『ニセ本尊』作製という暴挙と合わせて考えるならば、底意は「御本尊などどうでもよい」ということなのでしょう。

　私たち本宗僧俗は、今や根なし草となった創価学会の邪悪な欺(ぎ)瞞(まん)を打ち破り、未だ翻(ほん)弄(ろう)され続ける学会員に対して、「本門戒壇の大御本尊様こそが仏法の根源であり、それを忘れる限り絶対に成仏は叶わない」ことを教えてゆくべきです。