十、法華講に入ると、創価学会の悪口ばかり聞か
されるのではないか





仏教には「勧誡（かんかい）二門」が説かれています。これは、仏道を成就（じょうじゅ）するためには、誤（あやま）りを戒（いまし）め、善行（ぜんぎょう）を勧（すす）めるという二つの面がそなわらなければならないということです。
日蓮大聖人の仏法においても、「破邪顕正（はじゃけんしょう）」すなわち邪義（じゃぎ）邪宗を破（やぶ）り、正法正義（しょうぎ）を顕揚（けんよう）することが基本精神であることは、『立正安国論』などに明らかです。
宗門僧侶や法華講員は、仏法を破壊（はかい）し会員を誑惑（おうわく）する創価学会に対して、その間違いを指摘（してき）し、破折（はしゃく）しているのです。
日蓮大聖人は『開目抄』に、 　「我が父母（ふも）を人の殺すに父母につげざるべしや。悪子（あくし）の酔狂（すいきょう）して父母を殺すをせいせざるべしや」（御書５７７頁） と譬（たと）えをもって御教示されています。この御文は、妙法を信仰する者が邪義邪宗を破折しないことは、あたかも親の身に危険が迫（せま）っていることを知った子供が、それを親に告（つ）げないようなものであり、酒に酔（よ）った息子（むすこ）が親を殺そうとしているのを見て、それを止めないようなものであるという意味です。
現在、宗門の僧侶や法華講員が創価学会員に対し、道理をもってその誤りを破折していますが、その行為は日蓮大聖人の御教示にもとづいた破邪顕正の実践（じっせん）であり慈悲（じひ）の行為なのです。したがって、その行為は「創価学会に対する悪口」などというものではありませんし、創価学会が行（おこな）っているような、怨念（おんねん）による個人攻撃などとはまったく異（こと）なるものです。
また、あなたは、法華講員が創価学会批判（ひはん）ばかりを聞かされているようにいいますが、それは誤解（ごかい）です。なぜなら宗門僧侶や法華講員は朝夕の勤行はもちろんのこと、常に唱題行に励み、折伏弘教を実践し、さらには教学の研鑽（けんさん）に努（つと）めており、折伏や勉強会の一環（いっかん）として創価学会破折を行うことはあっても、創価学会批判に明け暮（く）れているわけではないからです。