三十四、日顕上人は法主を詐称しているのではないか





　日顕上人が、日達上人より御相承（そうじょう）を受けられ、現在に至（いた）るまで第六十七世の御法主として、また日蓮正宗の管長（かんちょう）として、一宗を教導（きょうどう）されてきたことは万人（ばんにん）が認める事実です。
　日顕上人の御相承に疑義（ぎぎ）を唱（とな）えた例として、自称正信会（しょうしんかい）の者たちがいます。彼らは日顕上人が御登座（とうざ）されたときには、師弟（してい）の契（ちぎ）りを結び、日顕上人を第六十七世の御法主と敬（うやま）っていましたが、次第に慢心（まんしん）を起こし、自分たちに都合が悪くなると血脈（けちみゃく）を否定（ひてい）するようになりました。これに対して宗務院（しゅうむいん）は、種々に訓戒（くんかい）しましたが、正信会僧侶がそれに従わなかったため、最終的に擯斥（ひんせき）処分に付しました。
　当時、創価学会は、御法主上人の血脈に疑義を唱える正信会の言動（げんどう）に対して非難を加えていました。しかし、平成二年以降、自らが謗法（ほうぼう）を犯（おか）して宗門から破門（はもん）されるや、無節操（むせっそう）にも正信会と同じ主張をして、御法主日顕上人を誹謗（ひぼう）し始めたのです。こうした自分の都合で変節（へんせつ）する創価学会の行為は、信仰的にも倫理（りんり）的にも許されるものではありません。
　創価学会では、日顕上人に対して「血脈相承を受けた証拠（しょうこ）がない」などと非難（ひなん）していますが、大事の秘伝（ひでん）として、ただ一人から一人に伝えられる血脈相承は、その形式・内容ともに当事者（とうじしゃ）以外の者には、まったく窺（うかが）い知れないものであり、部外者がこれをあげつらうことは、古来（こらい）、宗門において固く戒（いまし）められています。したがって、血脈相承の授受（じゅじゅ）に関しても、何時（いつ）、どのような形で宗内に告知（こくち）し発表するかは、当事者であるお二方（ふたかた）の御判断（はんだん）によるのです。
　日達上人は、昭和五十三年四月十五日、日顕上人へ内々（ないない）の血脈相承をなされ、翌（よく）昭和五十四年七月二十二日に御遷化（せんげ）されました。したがってその内付（ないふ）にもとづき、日達上人の跡（あと）を継（つ）がれた日顕上人の御座替（おざがわ）りの儀式（ぎしき）、及（およ）び御盃（おんさかずき）の儀は、同年八月六日に宗内僧俗の代表が参列し、厳粛（げんしゅく）に執（と）り行われています。その際、参列者一同が日顕上人の御登座（とうざ）をお祝い申し上げ、師弟の契（ちぎ）りを固（かた）めました。このとき、名誉総講頭（そうこうとう）であった池田大作も学会幹部とともに参列し、 　「今後私共（ども）は、益々（ますます）御法主日顕上人猊下（げいか）に御奉公（ほうこう）の赤誠（せきせい）を尽（つ）くすことを、固く固くお誓（ちか）い申し上げます」（大日蓮　昭和五十四年九月号二○頁） と祝辞を述べています。
　この一事（いちじ）を見ても、日顕上人が総本山第六十七世の御法主として、日達上人より御相承を承（う）けられたことは疑（うたが）う余地（よち）がありません。今になって「法主詐称（さしょう）」などと疑義（ぎぎ）を唱えることは、ためにする中傷（ちゅうしょう）としかいいようがありません。
　なお創価学会が、日顕上人を「法主詐称（さしょう）」というならば、日達上人がどなたにも相承されないで御遷化（せんげ）されたのか、あるいは日顕上人以外の誰（だれ）に相承されたというのか、創価学会はそのいずれかを明らかにすべきです。
　これらの点を明確にできない創価学会が、日顕上人を「法主詐称」などと誹謗（ひぼう）することは、仏法破壊（はかい）の大謗法（ほうぼう）という以外にありません。

　　【資料】第六十六世日達上人お言葉
　　　　　　「宗門の権威は、少しも傷つけることなく次へ譲るつもりでおります」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（達全二－六－四二四頁）
　　　　　　◇「先代牧口先生当時から、学会は猊座のことには、いっさい関知せぬ大精神で
　　　　　　　通してきたし、今後も、この精神で一貫する。これを破る者は、たとえ大幹部
　　　　　　　といえども即座に除名する。信者の精神はそうでなければならない」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（戸田城聖全集三－二三五頁）