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如説修行とは
如説修行とは、「説の如く修行す」と読みます。仏の説かれた教え、即ち経文の説相義理の通りに仏道修行することです。
如説修行は、法華経の『如来神力品第二十一』、『薬王菩薩本事品第二十三』、『陀羅尼品第二十六』、『普賢菩薩勧発品第二十八』などの各所に説かれており、そこには法華経の行相が説き明かされています。
法華経に説かれる五種の妙行
法華経に説かれる如説修行とは、『神力品』に、
「是の故に汝等、如来の滅後に於て、応当に一心に受持し、読誦し、解説し、書写し、説の如く修行すべし」（法華経五一三頁）
とあるように、如来の滅後に受持・読・誦・解説・書写の五種の妙行を説のごとく修行することを言います。
法華経においては、これら五種の修行を行ずることによって、六根清浄の功徳を得ると説かれるのです。
末法は総体の受持
釈尊在世および正・像二千年までの間は、摂受を面として修行し教化する時であったので、仏の教説にしたがって広く五種の妙行を修めて利益を得ることができました。
しかし、末法においては五種の修行を一々に行ずるのではなく、御本尊受持の一行に五種の妙行のすべてを括った総体の受持によって仏道を成ずることができるのです。
前の『神力品』の偈文には、滅後における法華経受持の功徳について、
「是の経を嘱累せんが故に 受持の者を讃美すること 無量劫の中に於てすとも 猶故尽すこと能わじ 是の人の功徳は 無辺にして窮り有ること無けん 十方の虚空の 辺際を得べからざるが如し」（同五一五頁）
「我が滅度の後に於て 応に斯の経を受持すべし 是の人仏道に於て 決定して疑有ること無けん」（同五一七頁）
等と説かれています。
ゆえに、日蓮大聖人は『御義口伝』に、
「此の妙法等の五字を末法白法隠没の時、上行菩薩御出世有って五種の修行の中には四種を略して但受持の一行にして成仏すべしと経文に親り之在り」（御書一七九五頁）
と御教示されたのです。
如説修行の行者に三類の強敵
法華経の『勧持品』二十行の偈文には、
「仏の滅度の後の 恐怖悪世の中に於て 我等当に広く説くべし 諸の無智の人の 悪口罵詈等し 及び刀杖を加うる者有らん 我等皆応に忍ぶべし」（法華経三七五頁）
と、八十万億那由他の菩薩が仏滅後に三類の強敵の大難に耐えて法華経を弘通する誓言が説かれています。
これを本門の立場から見れば、滅後の弘教における諸難は、必然的に法華弘通の付嘱を受けられた地涌の菩薩の身に蒙るものであり、『勧持品』における迹化の菩薩の誓言は、地涌の菩薩の発誓と解することができます。
ゆえに、大聖人は『如説修行抄』に、
「其の上真実の法華経の如説修行の行者の弟子檀那とならんには三類の敵人決定せり。されば此の経を聴聞し始めん日より思ひ定むべし、況滅度後の大難の三類甚だしかるべしと」（御書六七〇頁）
と仰せです。
つまり末法においては、本尊受持の上に、さらに相手を破折し屈服させる折伏行をもって末法の如説修行とするのです。
如説修行の正意
総本山第二十六世日寛上人は、『如説修行抄筆記』に、在世滅後に通じる如説修行の意義を、人法相対・師弟相対・自行化他の三つの意義を挙げて御指南されています。
①人法相対の意義
まず、末法における如説修行の人法相対の意義とは、大聖人の説かれた「法」のすべてが如説であり、その根本の法体は本門戒壇の大御本尊です。そして大聖人の仏法を信じ行ずる「人」である日蓮正宗の僧俗が「修行」の意に当たります。つまり、ここでは説かれた法のごとく、人が正しく修行することを教示されているのです。
②師弟相対の意義
次の師弟相対の意義とは、下種の教法を説かれる大聖人が「師」であり「如説」に配され、大聖人の教えに従って修行する「弟子檀那」が「修行」の意に当たります。師たる大聖人の教義を、弟子である私たちは正しく信解し、仏道に精進することを如説修行の意義とするのです。今日では、唯授一人の御相伝を受けられた御法主上人猊下の御指南に信伏随従していくことがこの意義に当たります。
③自行化他の意義
三つめの自行化他の意義とは、広宣流布の大願を起こして折伏行に精進していく「化他」が「如説」であり、日々の「自行」である勤行が「修行」の意に当たります。つまり自行化他の信心修行こそが真の如説修行なのです。
ま と め
以上の意義を拝すとき、末法においては、人法一箇の本門戒壇の大御本尊を信じ奉り、御本仏日蓮大聖人よりの唯授一人の血脈を承継あそばされる御法主上人猊下の御指南に信伏随従すること、そして広宣流布の大願を起こし、折伏弘教に邁進する自行化他の信行こそが真の如説修行となることが判ります。
私たちは、真の如説修行の行人たる自覚に立ち、地涌倍増と大結集の御命題達成に向かって、さらなる精進を誓い合いましょう。
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