日蓮大聖人の御教示「例せば小乗の菩薩の
日蓮大聖人は『開目抄』に、御自身が法華経に予証された法華経の行者であり、
この小乗の菩薩は、
つまり大聖人は、様々な大難は法華経の行者として自ら願った大難であり、一切衆生を救済するために受けている苦しみであるから、それは悦びであるとお示しになっているのです。
「願兼於業」とは なお、「願兼於業」とは、
法華経『法師品第十』に、
「
と、本来、清浄なる徳を積んだ大菩薩が、自ら願って浄業を捨て、悪世に生まれて妙法を弘めることが説かれています。
これを妙楽大師は『法華文句記』の中で、
「次に薬王より
と、『法師品』で説かれたこのような
つまり「願兼於業」の「願」とは、法華経の教えが勝れている故に自然に大慈悲が起こり、その大慈悲の上から衆生を救いたいという願いが起こり、妙法弘通のためにこの世に生まれることをいいます。そして「業」とは、凡夫が過去世の罪業によってこの世に生まれることをいいます。
「願兼於業」の場合は、願が業と全く同じ
このように「願兼於業」とは、本来ならば清浄な業報があるにもかかわらず、広く妙法を弘通する誓願を立てて、願って悪世に生まれ、悪世の衆生を救済するためにその衆生に同苦して、しかも、その業苦と同じ境界に立って妙法を弘めることをいいます。
我々もまた願ってこの世へ 大聖人は、こうした法華経の行者としての御振る舞いを通じて、私たちが目的とすべき仏道の大願をお示しです。
すなわち『御義口伝』に、
「大願とは法華弘通なり、
と仰せられ、この御文について前御法主日顕上人猊下は、
「悪世に生まれるというのは、過去の大願によるのであるということです（中略）大願があるからこの悪世の国土に生まれてくる、その大願とは法華を弘通する日蓮等であるとお示しであります」（大白法 五一九号）
と御指南されています。
つまり、私たちは今、法華弘通の大願をもって、末法の悪世に生まれたと言えるのです。私たちは、煩悩・業・苦に縛られた
平成二十一年に向かって 御法主日如上人猊下は、本年の元旦勤行の砌、
「一体いかなることをなせば、御本尊様は御嘉納あそばされるのか。
先に結論を言えば、それは大聖人の御金言のままに、純真に自行化他の信心に励み、もって世のため人のため、一切衆生救済の大誓願に立って、御本仏の御遺命たる一天四海本因妙広宣流布達成に我が身を尽くしていくことにほかなりません」（同七〇九号） と仰せです。宗門は今、御法主上人猊下の御指南のもと、平成二十一年・『立正安国論』正義顕揚七百五十年の佳節における「地涌倍増」と「大結集」をめざし、大前進をしています。
この大事な佳節に当たり、私たちも願って正法を弘めるべくこの末法悪世に生まれてきているとの自覚に立ち、大聖人御遺命の広宣流布達成のため、先ずは二年後の平成二十一年に向かい、未だ正法に巡り
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