|
大白法・平成２０年１月１６日刊 （第７３３号より転載） 信行を磨く （123）
折伏をもって正法たるゆえんを証明しよう
梶原慈文御尊師
全国の法華講員の皆様には、平成二十年「躍進の年」を、勇躍歓喜をもって迎えられましたこと、衷心よりお慶び申し上げます。
本年は、平成二十一年・『立正安国論』正義顕揚七百五十年を明年に控え、御命題達成のためのまさに正念場となる年でございます。御法主日如上人猊下の御指南のもと、僧俗異体同心して御命題を必ずや達成すべく精進してまいりましょう。
信頼を失った現代社会
まさに末法濁悪の世というべきでしょうか、近頃の世相を見ますと、「真実」とか「信頼」というものが失われてしまっています。
年金問題や薬害肝炎の問題での、政治や官僚の不誠実きわまる対応。また、食品業界に次々と起こる不祥事による食に対する信頼の失墜。親子・兄弟・夫婦、これらの関係は、本来ならば誰よりも信頼の絆が深いはずです。しかしこれらの間で起こされる殺傷事件が、近年あまりにも多すぎます。果たして今後、社会は「信頼」を取り戻せるのでしょうか。
そこで今回は、「真実」ということについて述べてみます。
法華経に説かれる真実の証明
釈尊一代五十年の説法は皆これ仏の真言ですが、釈尊は無量義経において、
と、これまで説いた四十余年の経々は真実の教ではなく、すべて権の教であったことを明かされました。
そして、『方便品第二』において、
と、この法華経こそが仏の随自意・真実の教であると明かされたのです。
法華経が真実の教であるということは、釈尊御自らの言葉のみならず、『見宝塔品第十一』でも説かれています。
即ち、七宝の塔が大地より涌現して虚空に住在し、宝塔の中にましました多宝如来が大音声を放ちて、
と、法華経の真実なることを証明したのです。
また、『如来神力品第二十一』では、十神力による真実の証明が説かれています。
即ち『神力品』には、
と、釈尊は自ら十神力を出して法華経が真実であることを証明し、さらに十方の諸仏も同じく証明したのです。中でも「広長舌を出す」とは、「吐舌相」ともいい、梵天まで届くような長い舌を出すことで、仏の不妄語なることを表すものです。
以上のように、様々な形で法華経こそ唯一真実の教であることが説かれているのです。
大聖人ご修行の意義
日蓮大聖人は、『如説修行抄』に、
と示されるように、建長五年の宗旨建立以来数々の法難に遭われました。何故の逢難かといえば、法華色読によって、御自らを法華経に説かれた悪口罵詈・刀杖瓦石、数々見擯出等の文を身をもって行じられ、釈尊の説かれた法華経が真実の教であることを証明されたのです。
このことを『顕仏未来記』に、
と示されています。
さらに言えば、これは世間通途の解釈であり、大聖人の御振る舞いは、末法の御本仏として一切衆生を救済せんとの大慈大悲より発せられたものであり、『義浄房御書』に、
と示されるように、御本仏としての本地を顕されるためのものでありました。そしてさらには、末法の仏道修行の方軌を示されたものであります。
折伏は真実の証明
私たちは、明年、平成二十一年に向けて、地涌倍増の御命題達成のため大折伏戦を展開しています。「証明」ということから言うならば、正しくこの闘いは、末法の御本仏日蓮大聖人の教が唯一の正法であることを証明する闘いなのです。
あれほど一生懸命に大聖人の教えを信仰していた創価学会は、いまや宗門を破壊しようと卑劣な攻撃を仕掛けてくる魔の謗法集団と化しています。私たち日蓮正宗僧俗が、真剣な唱題と折伏行をもって、大聖人の仏法の正しさを証明していかなかったなら、一体誰がするというのでしょうか。
私たちは、一人でも多くの人々を正法に導き、自他共に真の幸福境界を築きあげて功徳の実証を示し、大御本尊の功徳の偉大なることを証明していく使命があるのです。
◇ ◇
御法主日如上人猊下は昨年十一月の広布唱題会の砌、末法の時について御指南され、その上でさらに、
と仰せになっています。
私たちは、この御指南をしっかりと心にとどめ、正法弘通の誓願を胸に、必ず御命題を達成するとの気概をもって信力・行力を奮い起こし、前進してまいりましょう。
また、本年は全国四カ所において「地涌倍増大結集推進決起大会」が開催されます。講中一丸となって気運を高め、必ずこの大会を成功させ、平成二十一年の本番の年をめざしてまいろうではありませんか。
皆様のご健勝とご活躍を心より御祈念申し上げます。
|
| 目次へ戻る |