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大白法・平成１９年１０月１６日刊 （第７２７号より転載） 信行を磨く （120）
慈悲の行動で御命題達成を
土居崎慈成御尊師
本年「行動の年」も残すところ二カ月となり、折伏誓願目標の完遂に向け、全国各支部が勇猛果敢なる折伏に邁進していると拝察申し上げます。平成二十一年の大慶事は、平成法華講に与えられた使命であり、法要概要はもちろんのこと、各支部の結集人数等も決まり、残るは各支部の地涌倍増のみであります。
明年には、全国を四つの会場に分散して一大決起大会が開催されることとなり、宗内僧俗の機運も平成二十一年の大慶事一色となってまいりました。
地涌の使命の確認
本年五月二十日、御法主日如上人猊下は、中華民国台湾の第三回法華講総会へと御下向あそばされました。十年前の結成当初は四千名の信徒が、二万五千名へと六倍増の大躍進となり、総会には、一万二百五十余名もの信徒が参加され、盛大に挙行されました。その姿を拝しますとき、御戒壇様在したる日本における広布の停滞、遅延を歎かずにはいられません。
と、大聖人様が『諸法実相抄』に仰せられるごとく、御法主日如上人猊下の御心痛を察しますとき、平成広布に集う僧俗が、現状に安閑とすることなく、地涌の使命を思いて一層の精進をお誓いせねはならぬ時と拝するものであります。
平成広布の大道は、熱原の法華講衆の名を戒壇の大御本尊様に刻まれたる日蓮正宗法華講信徒に一任されているのであり、「地涌倍増」も「大結集」も、日本の信徒が率先して海外の信徒の模範となるべきであります。
怠惰な心を捨てよ
昨今の世情を拝します時、政治は混迷を極め、次代を担う若者は定職につかず、ニートやフリーターなどと呼ばれ、一見、自由気儘に見える生活がテレビ等で報じられるとき、まことに正法を知らぬが故に、生きる意義も、生まれてきた因縁も知らずに老いていく愚かさに歎くばかりであります。正と邪、陰と陽、明と暗、苦と楽等のように、物事には必ず対極をなすものがあります。楽に生きようとするならば、いずれの時にか苦を伴うであろうことは、因果の理からみても必然であり、冬の寒さが厳しいほど、桜は本来、その彩りを艶やかに飾るものなのであります。広布の大任を任された我々は、その責務を身に体して怠惰な心、十四誹謗の一つでもある懈怠を破して精進しなければ、今世における幸せは無論、来世の果徳をも失うのであります。
『法華経法師品第十』には、
と説かれており、怠ける心、怠惰な心に流されることなく、正法弘通しなければならないのであります。
また、『念仏無間地獄抄』には、
と仰せのごとく、懈怠を含む十四誹謗も、不信の心から惹起すると仰せであります。
不信とは、信じない心であり、心の用きによるものであります。そして、心の用きとは自分で決め、律していくものであります。煩悩に流されるのも、覚悟を決めて進むのも、自分の心一つであります。「自分が嫌な事を一日に二つすることは、魂にはいい」と語った作家がおりましたが、信心に励む魂は三世の生命を救うのであります。
いざ慈悲の行動を
折伏行とは、どこまでも慈悲行であります。天より降り注ぐ雨が、大きな木にも、小さな草木にも平等に水分を与えるように、また、海がいかなる魚にも同様の恩恵を与えることと同じように平等な慈しみ、利益を与えていくことが慈悲であります。
釈尊は長き歴劫修行の中において、摩訶羅陀国の第三王子・薩埵王子の時には、飢えと空腹に苦しむ虎にその身を与えて救い、尸毘王に生まれた時には、股の肉を鷹に与え、鷹と鳩を救ったのでありますが、凡夫である私たちは、正法を知らず、邪教に迷妄する人、また苦しむ人に救いの手を差し伸べ、共に幸せになろうと思う心と行動、即ち折伏によって同様の慈悲を顕すこととなるのであります。
創価学会という平成の一凶の破折は無論、世間に蔓延る邪教の一切を喝破していくことこそ慈悲の行に他なりません。
大聖人様は、『聖愚問答抄』の中で、
と、正法弘通こそ正法を持つ者の使命であり、その覚悟をお示しあそばされております。
五濁悪世の末法の今、心の迷い、乱れは世相はもちろん、国土への変化、地球全体の混沌を引き起こしております。温暖化の影響は、台風の強大化や海面の上昇、紫外線の増大、絶滅種の増加等を招き、五十年後には海面へと沈む国があるなど、地球全体が激変すると予測されております。このような危急の時に当たり、正法流布は一刻の猶予もなく、御法主上人猊下の御指南のもとに僧俗和合・異体同心し、不惜身命の大折伏を励行せねはならぬ時と拝するものであります。
『法華初心成仏抄』に、
と仰せられており、末法にあっては、大白法によってのみ、国土を救い、一切衆生が救われるのであります。平成広布に集う一人ひとりには、立正安国の使命が厳然と具わっております。あとは信心の心に従って行動するのみであります。『御講聞書』にも、
「信心の心を師匠とすべし」（御書 一八五七㌻）
と仰せられるごとく、今こそ地涌の真価を顕現すべき時であります。信心の心のままに精進いたせば、平成二十一年の大結集も支部誓願目標も、三世に連なる大利益も成就できるものと拝して止みません。
「行動の年」と賜りました本年の御命題に、最後の最後まで目標完遂に邁進していただきたいと切に願うものであります。
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