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六月度 広布唱題会の砌（於総本山客殿）
本日は、六月度の広布唱題会に当たり、皆様方には新型コロナウイルス感染症によって何かと御不便のところ、信心
本年も早、六月となりましたが、皆様方には日夜、折伏誓願達成へ向けて、いよいよ御精進のことと思います。
さて、法華経
「時に増上慢の四衆の、
とあります。
この御文は、不軽菩薩について述べられている箇所でありますが、既に皆様も御承知のように、不軽菩薩は
「
と唱えて、会う人ごとに対して
「我敢えて汝等を
と言って礼拝したのであります。
しかし、増上慢の者達は、不軽菩薩に対して
「是の無智の比丘、
と、
しかし、不軽菩薩は悪口罵詈されながらも瞋恚の心を生ぜず、多年にわたって常に、
「汝
と言って、礼拝行をやめなかったのであります。
そのために増上慢の四衆は、不軽菩薩に対して、
「我敢えて汝等を軽しめず。汝等
と言って、なおも礼拝行を続けたのであります。
ひたすら礼拝行を続けた不軽菩薩は、その功徳によって、命が終わらんとする時に至って、威音王仏の説かれた法華経を
その結果、かつて不軽菩薩を軽蔑し、悪口罵詈し、杖木瓦石をもって迫害した増上慢の四衆、すなわち不軽菩薩を軽しめ「常不軽」と名付けた者達も、
大神通力とは、身に神通力を
『法華文句』には、この三力を
「不軽菩薩が、一切衆生に仏性ありとして人々を軽んぜず、深く敬ったのは、衣座室の三軌のうちには如来の座に当たり、身口意の三業に当てはめれば意業に当たる。悪口罵詈・杖木瓦石の難を
と仰せであります。
すなわち不軽菩薩は、礼拝行を通して衣座室の三軌を身口意の三業にわたって行じた功徳によって、大神通力等の三力を得、また、これを
このことは、私どもの信心、特に折伏において、まことに大事なことが示されているのであります。
折伏には説得力が必要であります。説得力が
大聖人様は『法蓮抄』に、
「凡夫は此の経は信じがたし。
と仰せであります。すなわち、折伏に当たって最も説得力があるのは、信心の功徳を身をもって示す、すなわち現証として示すことだとおっしゃっているのです。
今、私どもの折伏も、不軽菩薩の大神通力、楽説弁力、大善寂力を目の当たりにして、増上慢の四衆が等しく、その説くところを聞いて信伏随従するに至ったように、
そのためには、まず自らが自行化他の信心に励むことが大事であります。自行化他の信心に励むところ、おのずと妙法の広大無辺なる功徳によって、我らもまた不軽菩薩と同様に、大神通力、楽説弁力、大善寂力を得ることができるのであります。
故に、大聖人様は『御義口伝』に、
「所詮
と仰せられているのであります。
すなわち、私どもが不軽菩薩と同様に、大神通力、楽説弁力、大善寂力を得ることができれば、おのずと我らの身口意の三業にわたる所行のすべてが折伏に役立つ、強烈な説得力を持つことになるのであります。
例えば、折伏の言葉一つ取っても、自然と楽説弁力等の功徳が発揮され、相手の信頼を得ることができるのであります。
折伏は結局、我々の言っていることを、相手が信じてくれなければ何もなりません。相手の信頼に
大御本尊様への絶対信をもって自行化他の信心に励む時、妙法の広大なる功徳によって自らが変わり、自らが変わることによって相手が変わり、折伏成就に至るのであります。
今、宗門は本年を「折伏躍動の年」と銘打って、僧俗一致・異体同心して力強く前進しております。
この時に当たり、私ども一同、一人も漏れず、勇躍として折伏に起ち上がり、もって必ずや折伏誓願を達成され、広大無辺なる功徳を享受されますよう心から念じ、本日の挨拶といたします。
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