第４２歩　～裏門と宗務院～

　

　六(む)壺(つぼ)へ向(む)かう正(しょう)面(めん)参(さん)道(どう)の南(みなみ)側(がわ)に裏(うら)門(もん)が建(た)てられています。

　この門は、表(おもて)門(もん)である鬼(おに)門(もん)に対(たい)する門との意(い)義(ぎ)から裏門と称(しょう)されています。

　創(そう)建(けん)年(ねん)代(だい)は明(あき)らかではありませんが、江(え)戸(ど)時(じ)代(だい)中(ちゅう)期(き)の大(たい)石(せき)寺(じ)地(ち)図(ず)に載(の)せられており、文(ぶん)政(せい)６（1823）年(ねん)、総(そう)本(ほん)山(ざん)第(だい)49世(せ)日(にっ)荘(そう)上(しょう)人(にん)の代(だい)に再(さい)建(けん)新(しん)築(ちく)された記(き)録(ろく)が残(のこ)されています。

　以(い)前(ぜん)は、現(げん)在(ざい)の大(だい)講(こう)堂(どう)の東(ひがし)側(がわ)付(ふ)近(きん)に建てられていましたが、昭(しょう)和(わ)63（1988）年、大石寺開(かい)創(そう)700年の記(き)念(ねん)事(じ)業(ぎょう)の一(いっ)環(かん)として、前(ぜん)御(ご)法(ほっ)主(す)日(にっ)顕(けん)上人猊(げい)下(か)によって現在の地(ち)に移(い)転(てん)新築されました。

　門の間(ま)口(ぐち)は9.5メートル、奥(おく)行(ゆき)は４メートル、高(たか)さは6.5メートルの規(き)模(ぼ)です。

　この裏門をくぐり歩(あゆ)みを進(すす)めると西(にし)側(がわ)に宗(しゅう)務(む)院(いん)が建てられています。

　宗務院は、大(だい)聖(しょう)人(にん)様(さま)が御(ご)遺(ゆい)命(めい)された広(こう)宣(せん)流(る)布(ふ)の実(じつ)現(げん)と宗(しゅう)門(もん)興(こう)隆(りゅう)のために、円(えん)滑(かつ)な布(ふ)教(きょう)活(かつ)動(どう)ができるよう宗(しゅう)務(む)行(ぎょう)政(せい)を司(つかさど)る庁(ちょう)舎(しゃ)であり、昭和56（1981）年、日蓮大聖人第七百遠(おん)忌(き)の記念事業として、前御法主日顕上人猊下によって新築されました。

　以前は、大講堂内(ない)に設(せっ)置(ち)され、さらに明(めい)治(じ)末(まっ)期(き)には六壺の入(いり)口(ぐち)に宗務院の看(かん)板(ばん)がかけられていた記録が残っています。

　現在の宗務院は、２階(かい)建(だ)ての鉄(てっ)筋(きん)コンクリート造(つく)りです。建(たて)物(もの)の内(ない)部(ぶ)には、管(かん)長(ちょう)室(しつ)、総(そう)監(かん)室(しつ)をはじめ、庶(しょ)務(む)部(ぶ)、教(きょう)学(がく)部(ぶ)、布(ふ)教(きょう)部(ぶ)、渉(しょう)外(がい)部(ぶ)、海(かい)外(がい)部(ぶ)、財(ざい)務(む)部(ぶ)の各(かく)部(ぶ)の事(じ)務(む)室(しつ)、会(かい)議(ぎ)室(しつ)、応(おう)接(せつ)室(しつ)、ロビー、倉(そう)庫(こ)、厨(ちゅう)房(ぼう)等(とう)を備(そな)えています。

　また、六壺正面参道の東側には、「洗(せん)心(しん)｣と書(か)かれた御(お)水(みず)屋(や)があります。

　御水屋とは、大石寺への登(と)山(ざん)参(さん)詣(けい)者(しゃ)が、涌(わ)き出(で)る清(し)水(みず)で、口(くち)をすすぎ手(て)を洗(あら)い心(しん)身(しん)を清(きよ)める所(ところ)です。

　この御水屋は、大石寺開創650年の記念に東(とう)京(きょう)のご信(しん)徒(と)が御(ご)供(く)養(よう)をされ、昭和17（1942）年、第62世日(にっ)恭(きょう)上人の代に建てられたものです。

　私(わたし)たちは、これらの建物の意義を拝(はい)し、平(へい)成(せい)27年、平成33年の御(ご)命(めい)題(だい)達(たっ)成(せい)に向かって、日(ひ)々(び)の信(しん)行(ぎょう)に励(はげ)み、１人(り)でも多(おお)くの人(ひと)たちが本(ほん)門(もん)戒(かい)壇(だん)の大(だい)御(ご)本(ほん)尊(ぞん)在(ましま)すこの総(そう)本(ほん)山(ざん)大石寺に共(とも)に参詣できるよう折(しゃく)伏(ぶく)に励んでいくことが大(たい)切(せつ)です。