第２５歩
　～参道と塔中～

　

　総(そう)本(ほん)山(ざん)の三(さん)門(もん)をくぐり、歩(あゆ)みを進(すす)めると、幅(はば)の広(ひろ)い石(いし)畳(だたみ)の参(さん)道(どう)が続(つづ)いています。

　この参道は、当(とう)初(しょ)、現(げん)在(ざい)のように整(せい)備(び)されたものではなく、石畳が敷(し)かれたのは、江(え)戸(ど)時(じ)代(だい)の頃(ころ)とされています。また、石畳の幅も中(ちゅう)央(おう)の一(いち)部(ぶ)のみでした。そこで近(きん)年(ねん)、登(と)山(ざん)者(しゃ)の増(ぞう)加(か)に伴(ともな)い、昭(しょう)和(わ)３６(1961)年１１月、総本山第(だい)６６世(せ)日(にっ)達(たつ)上(しょう)人(にん)の代(だい)に大(だい)改(かい)修(しゅう)工(こう)事(じ)を行(おこな)って現在の幅に拡(かく)張(ちょう)されました。その折(おり)には、石(いし)垣(がき)の改修工事も行(おこな)われています。

　この参道の両(りょう)側(がわ)には、蓮(れん)蔵(ぞう)坊(ぼう)をはじめ、浄(じょう)蓮(れん)坊・理(り)境(きょう)坊・久(く)成(じょう)坊・百(ひゃっ)貫(かん)坊・蓮(れん)東(とう)坊・寂(じゃく)日(にち)坊・本(ほん)住(じゅう)坊・観(かん)行(ぎょう)坊・本(ほん)境(きょう)坊・蓮(れん)成(じょう)坊・了(りょう)性(しょう)坊・南(みなみ)之(の)坊の十三カ坊が建(た)ち並(なら)んでいます。

　これらの十三カ坊は、いずれも第二祖(そ)日(にっ)興(こう)上人、第三祖日(にち)目(もく)上人、第四世日(にち)道(どう)上人の御(お)弟(で)子(し)方(がた)によって開(かい)創(そう)された建(たて)物(もの)です。

　また、潤(うる)井(い)川(がわ)に沿(そ)って、妙(みょう)遠(おん)坊・報(ほう)恩(おん)坊・遠(おん)信(しん)坊・東(ひがし)之(の)坊・本(ほん)種(しゅ)坊・石(いし)之(の)坊・雪(せっ)山(せん)坊の七カ坊、客(きゃく)殿(でん)前(まえ)広(ひろ)場(ば)の南(みなみ)側(がわ)に、妙(みょう)泉(せん)坊･妙(みょう)住(じゅう)坊・遠(おん)寿(じゅ)坊の三カ坊が建ち並んでいます。

　塔(たっ)中(ちゅう)は、全(ぜん)国(こく)から登山される信(しん)徒(と)の宿(しゅく)坊(ぼう)として使(し)用(よう)されてきました。

　昨(さく)年(ねん)は、『立(りっ)正(しょう)安(あん)国(こく)論(ろん)』正(しょう)義(ぎ)顕(けん)揚(よう)７５０年の記(き)念(ねん)事(じ)業(ぎょう)である総本山総(そう)合(ごう)整(せい)備(び)事業により、塔中坊建(たて)替(か)え工事が行われ、将(しょう)来(らい)起(お)こりうる地(じ)震(しん)に備(そな)え、耐(たい)震(しん)構(こう)造(ぞう)の塔中坊として新(しん)築(ちく)、または改(かい)築(ちく)して、信徒が安(あん)心(しん)して利(り)用(よう)できるようになりました。

　私(わたし)たちは、この整備された総本山へ、折(しゃく)伏(ぶく)入(にゅう)講(こう)した方(かた)と共(とも)に登山参(さん)詣(けい)し、御(ご)命(めい)題(だい)の成(じょう)就(じゅ)と自(みずか)らの罪(ざい)障(しょう)消(しょう)滅(めつ)、さらには日(ひ)々(び)の精(しょう)進(じん)を誓(ちか)い合(あ)って、さらなる信(しん)行(ぎょう)に励(はげ)むことが大(たい)切(せつ)です。