奉安堂(ほうあんどう)は、平(へい)成(せい)14年10月、総本山第(そうほんざんだい)67世(せ)御(ご)法(ほっ)主(す)日(にっ)顕(けん)上(しょう)人(にん)猊(げい)下(か)の御(ご)発(ほつ)願(がん)のもと、宗(しゅう)旨(し)建(こん)立(りゅう)750年をお祝(いわ)いして、国(こく)内(ない)・海(かい)外(がい)の日(にち)蓮(れん)正(しょう)宗(しゅう)の御(ご)僧(そう)侶(りょ)や信(しん)徒(と)から寄(よ)せられた、真(ま)心(ごころ)からの尊(とうと)い御(ご)供(く)養(よう)によって建(た)てられました。

　建(たて)物(もの)の大(おお)きさは、面(めん)積(せき)が12,988㎡、高(たか)さは55mで、約(やく)5,000名(めい)分(ぶん)の信(しん)徒(と)席(せき)が設(もう)けられています。堂(どう)宇(う)内(ない)部(ぶ)の須(しゅ)弥(み)壇(だん)の中(ちゅう)央(おう)には、本(ほん)門(もん)戒(かい)壇(だん)の大(だい)御(ご)本(ほん)尊(ぞん)様(さま)が奉安(ほうあん)され、向(む)かって左(ひだり)側(がわ)には大(たい)聖(しょう)人(にん)様(さま)の御(ご)灰(はい)骨(こつ)、右(みぎ)側(がわ)には弟(で)子(し)の日(にっ)法(ぽう)が大御本尊様を御(ご)彫(ちょう)刻(こく)申(もう)し上(あ)げた際(さい)に造(つく)られた最(さい)初(しょ)の御(み)影(えい)である最(さい)初(しょ)仏(ぶつ)が安(あん)置(ち)せられています。

　大聖人様は、弘(こう)安(あん)2（1279）年10月12日、末(まっ)法(ぽう)のすべての人々を幸(しあわ)せに導(みちび)くために本門戒壇の大御本尊様をお顕(あらわ)しになられました。そして、末法万(まん)年(ねん)の長(なが)い間(あいだ)大(たい)切(せつ)に残(のこ)されることをお考(かんが)えあそばされ、弟子の日法に楠(くすのき)の厚(あつ)い板(いた)に彫刻を命(めい)じられたのです。その後(ご)、現(げん)在(ざい)に至(いた)るまで720余(よ)年(ねん)の間、代(だい)々(だい)の御法主上人猊下が大切にお護(まも)りしてこられた大御本尊様が現在、奉安堂にましますのです。

　ここでは、御法主上人猊下の大(だい)導(どう)師(し)のもとに御(ご)開(かい)扉(ひ)が行(おこな)われ、本(ほん)宗(しゅう)の御僧侶・信徒に限(かぎ)り、本門戒壇の大御本尊様の御(ご)内(ない)拝(はい)をさせていただくことができるのです。

　この御開扉の意(い)義(ぎ)は、大聖人様の御(ご)法(ほう)魂(こん)にまします大御本尊様に御(お)目(め)通(どお)りをし、日(ひ)頃(ごろ)の信(しん)心(じん)と生(せい)活(かつ)の御(ご)報(ほう)恩(おん)を申(もう)し上(あ)げ、謗法(ほうぼう)の罪(ざい)障(しょう)を消(しょう)滅(めつ)し、広(こう)宣(せん)流(る)布(ふ)と自(みずか)らの幸(しあわ)せを願(ねが)うことにあります。

　鎌(かま)倉(くら)時(じ)代(だい)の信徒は、大聖人様を尊(そん)敬(けい)し、御目通りできる喜(よろこ)びを胸(むね)に、とても不(ふ)便(べん)で困(こん)難(なん)ななかをお参(まい)りされたのです。この信(しん)仰(こう)の気(き)持(も)ちはいつの時代においても持(も)ち続(つづ)けなければならない大切なことです。

　皆(みな)さんも総本山に登(と)山(ざん)をして本門戒壇の大御本尊様に御内拝をさせていただく際には、しっかりと信心修(しゅ)行(ぎょう)ができるように、また勉(べん)強(きょう)や親(おや)孝(こう)行(こう)ができるように、さらにはみんながいつまでも健(けん)康(こう)でいられるように真(しん)剣(けん)にご祈(き)念(ねん)をして、日々の信心に励(はげ)んでまいりましょう。