第１５歩
　～大石寺墓苑（典礼院）～

　

　五(ご)重(じゅう)塔(のとう)の東(とう)方(ほう)、木(こ)立(だち)に囲(かこ)まれた丘(おか)の上(うえ)に、大(たい)石(せき)寺(じ)墓(ぼ)苑(えん)があります。

　この墓苑は、昭(しょう)和(わ)44（1969）年6月10日、総(そう)本(ほん)山(ざん)第(だい)66世(せ)日(にっ)達(たつ)上(しょう)人(にん)の代(だい)に現(げん)在(ざい)の地(ち)に移(い)転(てん)され、総(そう)面(めん)積(せき)約(やく)11万平(へい)方(ほう)メートル（33,000坪(つぼ)）、墓(ぼ)地(ち)数(すう)約(やく)1万(まん)6000墓という広(こう)大(だい)な公(こう)園(えん)墓地で、北(きた)側(がわ)には、中(ちゅう)央(おう)大(だい)塔(とう)、西(にし)大塔、東(ひがし)大塔の3つの三(さん)師(し)塔(とう)が建(た)てられています。

　中央大塔は、貞(じょう)享(きょう)2（1685）年、総本山第22世日(につ)俊(しゅん)上人の代に、日(にち)蓮(れん)大(だい)聖(しょう)人(にん)の塔が建(こん)立(りゅう)され、翌(よく)、貞享3（1686）年に、日(にっ)興(こう)上人・日(にち)目(もく)上人の塔が建立されました。

　現在の中央大塔は、安(あん)永(えい)9（1780）年、第37世日(にっ)琫(ぽう)上人の代に再(さい)興(こう)されたものです。

　また、西大塔の三師塔は、享(きょう)保(ほ)16（1731）年、第28世日(につ)詳(しょう)上人の代に、日蓮大聖人の塔が建立され、翌、享保17（1732）年に日興上人、日目上人の塔が建立されました。さらに東大塔の三師塔は、昭和36（1961）年11月、日達上人の代に建立されました。

　この三師塔の前(まえ)に、総本山第4世日(にち)道(どう)上人以(い)降(こう)の御(ご)歴(れき)代(だい)上人の墓地が建立され、続(つづ)いて僧(そう)侶(りょ)の墓地が並(なら)び、さらにAからNまでの14ブロックに渡(わた)って墓地が広(ひろ)がっています。

　また、墓苑の中(ちゅう)央(おう)広(ひろ)場(ば)には、管(かん)理(り)事(じ)務(む)をつかさどる典(てん)礼(れい)院(いん)が建てられています。この建(たて)物(もの)は、昭和59（1984）年7月、第67世日(にっ)顕(けん)上人の代に改(かい)築(ちく)されたものです。

　総本山では、毎(まい)年(とし)孟(う)蘭(ら)盆(ぼん)会(え)前(ぜん)日(じつ)の8月14日に、この墓苑の三師塔を始(はじ)めとして、御(ご)法(ほっ)主(す)上(しょう)人(にん)猊(げい)下(か)大(だい)導(どう)師(し)のもと、墓(ぼ)参(さん)の儀(ぎ)が執(と)り行(おこな)われます。

　大聖人様は、『上(うえ)野(の)殿(どの)後(ご)家(け)尼(あま)御(ご)返(へん)事(じ)』に、

「いかにもいかにも追(つい)善(ぜん)供(く)養(よう)を心(こころ)のをよ(及)ぶほどほげみ給(たま)ふべし」（御書　338頁）

と説(と)かれるように、常(つね)に先(せん)祖(ぞ)に対(たい)して、真(ま)心(ごころ)からの追善供養を心がけることが大(たい)切(せつ)であるとされています。

　我(われ)々(われ)は、日々の生(せい)活(かつ)の中(なか)に、報(ほう)恩(おん)の心、追善の気(き)持(も)ちを忘(わす)れることなく、本(ほん)門(もん)戒(かい)壇(だん)の大(だい)御(ご)本(ほん)尊(ぞん)を根(こん)本(ぽん)に勤(ごん)行(ぎょう)、唱(しょう)題(だい)、そして折(しゃく)伏(ぶく)と、信(しん)心(じん)修(しゅ)行(ぎょう)に励(はげ)み、その功(く)徳(どく)をもって先祖供養をしていくことが大切です。